静岡銀幕週報 34

>□■■      第34号   2007/12/20

 



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┃N┃■┃作品レビュー

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┃■┃カンナさん大成功です

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「2007-8年末年始、微力ながら一押しで」



12月15日静岡ミラノ1での19:30の回。

客入りは10人ほど。ラブコメだからか韓国映画だからかCMがないからか、

こんな客入りの映画じゃないんだけどなぁ。



原作は鈴木由美子少女コミック。後日読んでみたけど、設定もストーリーも全然別物。

ただし、美容整形手術で別人になっても心の中までは変えられないギャップや妙にブスに

感情移入したりしながら美女としての日々を送る成長ストーリーであることは変わらない。



デブでブスなカンナは人気バンドのゴーストシンガー。プロデューサーに片思いするも利用されていることを

知り自殺未遂を経て過酷な変身をして別人として再会。ソロデビューをする。



全体的なつくりとしては二昔前の香港コメディーでよく見たような場面も多いものの、一方で

ドリームガールズ」を連想させるような洗練された近代西洋的な雰囲気もある。これに吹き替えという

要素が加わり、なかなか一言では言い表しにくい映画。

アニメオタク特有の敵味方を分ける単純二元論のように、人間外見が大事が中身が大事か、という二元論で

しか考えられない人には今思ってる結論しか伝わってこないかもしれない。(恐らくそのほとんどは

人間中身が大事だというメッセージを受け取っているに違いない)

でもそんな二元対立はどこにもないよ。



愛すべき勘違いとキッカケ、勢い、決断。変化とギャップ、しがらみ、葛藤、そして自己否定をしたり

自己肯定をしたりしながら人生の真実に近づいていく。

傷ついてから違う世界を知るからこそ優しくもなれる、その優しさは人のためならず返ってくる。

この連鎖で世界は温かくなる。

ならば傷つくことも、変化することも、恐れることはなにひとつない。

まさに生きる勇気そのものが伝わってくる作品だ。



また主演のキム・アジュンがいい。美人なのにスターっぽくないところが実にマッチしてる。

デブでブスの時代も特殊メイクで演じてるとは!てっきり別人だと思ってた。道理で整形前後で

息が合ってるはずだ。表情もシリアスからキュートまで幅広くいい



一見スイーツ(笑)女向けの映画のようだけど、自己変革願望はむしろ男の方が強いし、

成長にまつわる葛藤や人情は人生普遍のテーマ。女性映画として埋もれさせるのは惜しい。



公開中 

静岡ミラノ1





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┃M┃■┃もうひとつ作品レビュー

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┃■┃ナショナルトレジャー リンカーン暗殺者の日記

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「日本の大人が見るもんじゃない」



静岡ピカデリー1で20日17:00の回、客入りは15人ほど。

15人?????前作は土曜夜ということもあったけど超大作並みの入りだったんだけど。



前作から言われてたことだけど、アメリカの子供に歴史を勉強する

キッカケを

与えるって内容は変わってない。

ファミコン時代の単純なゲームを眺めてるような感じでね。



あと、何を書けと?





公開中

静岡ピカデリー1・MOVIX清水



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┃R┃■┃来週なに見ようかな

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┃■┃Little DJ 小さな恋の物語

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今週末は「ナショナルトレジャー」の続編のほかに「魍魎の匣」がある。

これは京極夏彦作品の映画化で前作の「姑獲鳥の夏」が体にあわなかっただけにパス。

シネギャラリーは入替週。今回の目玉「Little DJ 小さな恋の物語」は俺の地元・函館が舞台。

しかもあの世代よりはちょい後だけどラジオっ子だから必要以上に期待してる。

僕のピアノコンチェルト」は東京公開直後はそれなりの評判だったけど後が続かないところを見ると

それなりなんだろ。ほかの2作品はどうでもいいっぽい。







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┃Z┃■┃雑記

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┃■┃

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年末に毎年思うんだけど妙に忙しい。

見る映画の数が増えるからだと今年初めて気が付いた。

「サルバドールの朝」を見たけど本誌発行のころには静岡での公開は終わってるのでレビューはやめとく。

ただ、いろんな意味であんな死刑を見たことがなかったことだけは書いておきたい。







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