ベガスの恋に勝つルール

「こんなバカ騒ぎ、してみたい」



静岡ピカデリー2で21:45の回。



憂さ晴らしのラスベガス旅行で知り合った男女が泥酔のノリでそのまま結婚、目覚めて後悔、即ケンカ別れ。捨て台詞代わりに女のコインで男が回したスロットが300万ドルの大当たり。

男が力任せに小切手を奪ったものの、女が離婚の財産分与を主張して法廷へ。あきれた裁判官が離婚を認めず半年間の強制結婚を命ずる・・・。

なんだ、この書いててアホらしくなる設定は?



ところがこの世界のアホさ加減をぶっ飛ばすのがノリノリのキャメロン・ディアス。演じてるのか楽しんでるのか?そのテンションの高さが客席まで明るさを運んで来る。力技で心を持って行かれる。

自然、後半になんの工夫もなくありがちに話がまとまり始めると、途端にスケールが小さくなってくる感じだった。息切れ感が甚だしい。



前半にいろんなものを詰め込みすぎなんだよなー。

しっかりした女と、いい加減な男の対比の描写が細かすぎて笑えるというか、便座の上げ下げのクダリとか、男と女で若い会えない部分は世の東西を問わないんだね。そこら辺の応酬が男と女というより、子供と大人のやり取りのような感じで、そこでもお互いに補完しあう関係になっているところを上手く描いていた。

はっきり言って善悪で言えば男のほうが悪いような行動ばかり、しかし善悪で言わないところが素晴らしい。



イン・ハー・シューズ」でキャメロンの肌の劣化が気になって、それは今回も変わらないけど、でも36歳って言われると信じられない。体の底からみなぎってくる若い力があるんだろう。



やっぱりラブコメはいいね。

つってもこれは一人で映画館で見るもんじゃなく、DVDが出たら何人かで酒でも飲みながら前半だけを繰り返して見ながらバカみたいに騒ぐのがいいんじゃないかと思うけど、でもそれが出来るのは欧米人だけのような気がする。

賢いけどつまらないと否定的に描かれていた中国系アメリカ人が他人事じゃない。