「人となり」「人格」「人間性」の違いについて、とりあえずの整理


先週、と、ある講習会で講師が「人となり」というものについての話をした。
人となりとは何か。そう聞かれて、人格とか人間性とか、そういう答えがある中、そうではない、という。
で、この講師が言いたかったことは、俺なりにまとめると要するに


[人となりは、その人が持つ内面すべてのことであり、それ自体には善悪も優劣もない。だからその人となりとどう向きあい、どううまく使っていくか考えよう。]

tamaotamao 2009/07/09 15:51 性格には善し悪しは無く、特徴があるだけだ。
と言いますが、こういう話を読むと
その特徴が、今の世の中を渡っていくのに役立つ特徴か役に立たない特徴なのか、ってのはありますよね。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090709/1247065795

ってコメントもらったのを思い出した。


講習会では人格とか人間性についての説明はなかった。別に哲学や宗教や心理学の講習会じゃないので、そこを突っ込み出すと脱線になる。
ただ俺は、人となりとか人格とか人間性とか、イマイチ明確な区別が出来てないことに気付かされた。
性格とか人柄とかいうところになると、漠然と違うような気もするけど、それぞれの相関関係となると曖昧な部分が出てくる。


そこでざっと調べることは調べて、とりあえずの整理をしてみた。


まず、「人となり」とは漢文では「為人」、人である、というような意味で、字義としては「人柄」と類語。その人が他の誰でもない、その人である要件、という感じだろうか。
「人柄」は人となりのうち、他人から見える部分という意味合いが強そうだ。


「人格」には哲学的な意味と心理学的な意味がある。
哲学的には、その人が自覚する自分の存在そのもののこと。
心理学的には、性格のうち善良であるもの。
「性格」とは客観的に分類した性質のこと。characterの訳語で、原語に含まれる善悪の評価的な部分が「人格」に流れた。


人間性」とは人間の底にある、人間であるための最低限の条件のこと。
人間性はあるかないかの問題であって、人間性が悪い、人間性が低い、という言葉は存在し得ない。人間性に欠けている、と言うべきなんだろう。


じゃあ、人間なんだけど腹の底が腐ってる奴のことは、なんていうべきなんだろう?とか、人格と人徳とは違うのか、とか、人間の「本性」ってなんだ?とか、いったん整理することによって、また新たないろいろ疑問が湧いてきた。