どこからが労災隠しにあたるか

どこからが労災隠しにあたるか

ケース

事業主より、労災に加入していないので国保使用するように指示があったが、諸事情により事業主に労災加入を求めることが出来ない。

 

回答

本来は事業主が雇用関係成立時点に遡って労災保険に加入する必要がある。

しかし諸事情で労災不加入のままを前提として処理する場合、業務中の災害であることを明らかにしたうえで国保による保険手続きを進めること自体は違法ではない。手続きを進めるだけであれば労災隠しには該当しない。事業主が死傷病報告を行わないことが労災隠しである。

国保提出先自治体では、求償先さえ明らかであれば実務上は問題がない。求償先を事業主または保険会社として第三者行為災害届を提出すれば国保の手続きとして処理が行われ、問題は生じない可能性が高い。

しかし自治体から国保使用を拒否される可能性、労基署に通報が行われる可能性は否定できない。NPO法人の労災加入義務がなくなるわけではない。

(2020年6月 社労士、市役所国保担当、労基署に問い合わせ)