腹ばいスケボー事故でなぜ車に過失があるのか
腹ばいスケボー事故でなぜ車に過失があるのか
労災や健保の仕事柄、交通事故当事者から事故状況を聞く機会が多くあります。
その際によく聞くのが「避けようがなかった」という言葉です。
しかし本当に「避けようがなかった」のでしょうか?
交通事故が起きないように道路と車は作られている
まず大前提として、交通事故が起きないように道路と車は作られています。
例えば制限速度ひとつとってもそうです。なんでこんなに見通しのよい道が30km/h制限なんだろう?と思ったことはありませんか?
それはどこかに30km/h以上出していたら事故を回避できない場所が潜んでいるからです。誤解を恐れずに言うと、100%見落としもせずに、ブレーキハンドル操作も人間の限界まで素早く正しく行えれば、30km/h以下で走行していれば事故が起きないようにつくられているのです。
逆に制限道路のない道もあります。
本件事故の現場は見る限り、速度規制も一時停止規制もありません。
完全に死角。避けれないよなー。
— sousou (@kimama77777) 2020年6月24日
車は一時停止してたし…これで現行犯逮捕…#交通事故 #スケボー pic.twitter.com/93cyGEh4K5
これは規制しなくでもいい安全な道路ではなく、規制しても規制を守るだけでは事故が防げない場所だということを意味しているのです。
このツイートの通り、死角があるのです。
ではその死角が原因での事故は避けられないのでしょうか?
腹ばいスケボー事故での車側の過失
こちらに寄せられたコメントをもとに考えてみましょう。
mamiske 過失がわずかでもあるというなら回避する方法を教えてほしい
はい、教えましょう。
もちろん現場を実測したわけではないのでCGからの推測ですが、スケボーとの距離6.0mの時点で運転者はスケボーを発見出来ていたと思われます。
で、スケボーの時速がハッキリしませんが10km/hだったとします。いや、もっと弾丸のように速かった、とおっしゃる方もあるでしょうが、あとで後悔しますよ。
10km/hは秒速で言うと3mなので、この6mを2秒で通過したことになります。
一方の自動車は0km/hからスタートして2秒で6m進んだことになります。加速度を計算すると、6m地点の速度は約21.5km/hです。
車を運転する方は試してみればよいと思いますが、2秒で21.5km/hは結構な急発進です。
ちなみに道路交通法42条では見通しのきかない交差点では徐行義務が課せられていて、徐行とはすぐに止まれる速度、10km/h程度とされています。
(これがスケボーが20km/hの弾丸ロケットだったとすると、自動車の方は1秒で43km/hのぶっとび発進です。)
要は自動車の急発進、というのが本件事故の運転者側の過失であり、急発進していなければ回避出来た可能性が高いのです。
もちろんこれは画面からの推測にすぎませんので、念のためお断りします。
primedesignworks こんなん、車側の責任は一切ないでしょ。当たり屋より酷い。
いかがでしたでしょうか。
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