「島田文化」でモンスターがかかっている。サールナートで9月に上映されたが北海道に帰っていたこともあって見逃していた。新聞の映画欄を見てふらっと島田に向かった。これが結果として1泊2日の大旅行に。
藤枝在住某C嬢に島田にも映画館があるけどよく知らない、という話を聞いた覚えがある。そしてなによりもgoo映画に載っていない。このあたりからして多少の不安はあった。
ネットで島活会館島田文化が島田市元島田46-1にあることが判明。1/30000地図を見ると国一元島田バス停付近が元島田27番地であることからこのあたりにいけば分かるだろうと目星をつけた。日ごろからセドリでこうやって古本屋を探したカンがものをいう。
で、現地。なにもない。そもそも番地表示がない地域なのでよく分からん。しかし主だった道路沿いは全て当たったし、映画館が住宅街の路地にあるとも思えない。それがせどりの途中なら「古本屋が潰れたんだろう」と見切りをつけてよそに行くのだが、なにせ静岡新聞に「モンスター年末サービス900円」と広告が出ているのである。どこかに存在することは確かだ。もしや秘密結社やジモ専の共同浴場のようなところなのか?
こういう時の強い味方、図書館は月曜日で休み。結局島田駅前の交番で聞くことにした。
「映画館なんかないよ。子供向けのやつじゃないでしょ」
子供向けのやつとは週末だけゴジラポケモンを上映するみのる座のこと。やっぱり島田文化は秘密結社なのか?
「元島田?そんな田舎に映画館なんか…」ともう1人のおまわりさんが割り込む。
「それってこの間、ロボットやってたところ?」そうそう、アイ,ロボットの二番館をやってた。
「だったら本通のルートインの隣だよ」
まぁ要するにこれだ。ページまたぎかよ。
とはいえ、島田のおまわりさんすら知らない映画館、どんなのだろう?
聞いたとおりに来てみた。ホテルルートインの周りを一周する。ない。
もう楽しくなってきた。もう一周してみる。
あった!BUNKA多目的ホールって書いてる。これじゃ分からんよ。
矢印に従って建物へ。
映画が盛んだった30年前そのままの建物、古い油を吹いたような木造で照明は暖かな白熱球がぶら下がる。入り口で靴を脱いで下足箱にしまい、ぎしぎし鳴る廊下を進む。木戸銭を払って入り口を空けると畳敷きで座布団が用意してある。「おせんにキャラメル…」と売り子が売りに来る…
そんな想像を物の見事に裏切ってくれた。
出来て数年の新しい文字通りの多目的ホール。古いのはモギリのおばちゃんだけ。
なるほど、ここは映画館じゃないんだ。貸しホール。日程表から想像するに、元島田の映画館を撤退して駅前に貸しホールを作って、月の半分は洋画ヒット作の2番館として、残りの半分は貸しホールとして運用して、それで空いてたら安い映画を引っ張ってきて上映する、と。そんなスタイルなんじゃないだろうか?
客席は120ほどか。各列に段差があって見やすいが、背もたれが腰あたりまでしかないので疲れる。