サウスバウンド

「人間らしさとはなにか?」



静岡ミラノ1で19:35の回。

全然客入ってないぞ。5人。この前の回は2人だった。

作品としては、全体になんかとってつけた風な感じで、それを味として受け入れられるかどうか。

ただ、そのとってつけた風を前面に出した宣伝活動がまったく効かなかったのは事実。

「大人」になりきれず人間のあるべき姿を求めるアナーキズム活動家の両親を持つ小6の長男の視線から、まっすぐに生きる大人と子供を描いた奥田英朗の傑作小説の映画化。

東京:沖縄が1:2くらいの割合だった。いや、東京はもっと少なかったか?

沖縄のまったり生活を描いた癒し映画とも受け取れる作りになっている。

一郎はもうちょっと武闘派のようなイメージを持って原作を読んだけど、こういうインテリ崩れ色の強い一郎もありかな、とも思う。「ナンセンス」の言い方もこんな感じなら明日からでも使えそうだ。変な盛り上げもなく淡々とした雰囲気で日常を描くからこそ戦いは日常生活にあることを痛感させられる。

とはいえ、やはり原作の筆力あってこその名言の数々なんだなー、という思いは残った。

映画全体はとってつけた風だけど、名言に関してはとってつけたものそのもの。それでも、今、なにかで闘っている者には効くよ、この映画は。

闘わない奴には分からないだろ。