ザ・コーブ

静岡シネマパークフェスティバル上映。
静岡東宝4階右側で19:30。客入りは30人ほど。
つーか、cinema4で上映、つーから地下かと思ったら、改装してスクリーン数を増やしたために名称が入れ替わってた。


イルカ漁批判という内容のために日本公開に際して散々騒ぎになったあげく、静岡での上映がなかったんだよね。
本当に抗議してた衆はクソだよなー。この映画は日本人全員が見るべき。


アカデミー賞を受賞したのも納得するくらい映画として本当に優れている。だって作ってる側が楽しそうだもん。
センシティブになっててさ、子供が秘密基地や秘密兵器をわくわくしながら作ったように撮影の準備をして、喧嘩ふっかけて作った敵に戦いを挑んで、圧倒的な正論に屈しながら面従腹背、臥薪嘗胆、乾坤一擲、最後には持ち前の攻撃精神をフル発揮してボロクソに叩きまくって逃げるという・・・。
カタルシスと楽しそうなのがよく伝わってくる。


つーか捕鯨問題に関しては初期の「美味しんぼ」で雁屋哲が描いた捕鯨反対運動批判を教科書に載せるべきだと思う。
日本を取り巻く環境がどんなことになってるか、そのいい例だし、もう一つ、こんなくだらないことでこんな騒ぎになっちゃう、あるいは騒ぎに出来ちゃう、そして世界を動かせる、そのことをもっと教えるべきなんだ。

本作に描かれているイルカ漁批判の原点は、アメリカの往年のテレビドラマ「わんぱくフリッパー」でイルカの調教をしたおっさんのトラウマだったとは!
要はこのおっさんがドラマ制作の過程でのイルカの扱いが悪いことに罪の意識を感じていて、そこに思わせぶりなイルカの死が火をつけてしまったわけだ。
結果、狂信的なイルカ信者となってしまったおっさんは、イルカを守るという名目で
誰かを攻撃し続けることでしか精神のバランスを取れなくなってしまった、と。
で、同類のイルカを使って精神のバランスを取ってる仲間と作ったのがこの映画。


和歌山の太地町には俺も行ったことがあるし、この映画に出て来る鯨の遊覧船に乗ってイルカの調教を見て動画を撮ったことがある。

補陀落浄土へ向かって船を出した・熊野2泊3日 - NOW HERE

伝統産業であった捕鯨が出来なくなった後に、業態転換と環境との共存が上手く進んでいると思う。
しかしそれすらも連中に取っては許せないことらしい。


太地町の漁師、水産庁の役人、国際捕鯨委員会IWCの日本委員、ここまで編集によって悪意に描けるものかという映像の恐ろしさというものも十分に現れている。
彼らに言わせると東京の衆がイルカ漁を知らないのは報道管制のせいらしい。日本人は鯨肉が大好きで、鯨肉と偽ってイルカ肉が出回っていて、そのイルカ肉には水銀が大量に含まれているからだそうだ。


これが現実だし、この現実からは目を背けてはいけない。だから全ての日本人はこの映画を見るべきだ。

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