竜爪山・雲のむこうに

今日は朝から外出する予定を立てていた。
昨日夜半に降りだした雨は前線が通過する午前中には上がるという。そのあとは夏の日差しだと。
ならば雲海である。あたかも海のように霧が低地に立ちこめているのを山から見る。

林道電撃ネットワーク>甲信越>山梨>井川雨畑林道
http://www.henari1.jp/R-17-011-B.htm

これの5枚目6枚目ね。こうる可能性が高い。


しかし、雨が上がったのが11時。この時間から雨畑には行けないよ。
そう思ってふと東を見た。すると竜爪山の双耳峰が雲の間からぽっかりと顔を見せた。いや、耳を見せたというべきか。

これを山頂から見ると、足元は雲海になってるはず。そう思ったらいても立ってもいられなくなった。


時間はない。日は長いとはいえ、1000メートルを越える、場合によっては遭難する人も熊も出る山だ。
今からだとルートは穂積神社ピストンしかない。
穂積神社に向かう竜爪街道。平山集落からいよいよ登り始めたところで通行止め。農道への迂回を余儀なくされる。

さすがに農道だけあって勾配がきつい。ここで50ccとはいえスーパーカブの本領発揮。1速2速でグイグイ登っていく。目指す頂上は雲のむこう。

雲の中に突入。

13時10分に穂積神社。

竜爪山は古い信仰の山。それは双耳山が文殊岳・薬師岳という名前からも分かる。登山道は熊野古道に劣らぬ信仰の道だし、屋久島に劣らぬ古い杉の大木に囲まれた道。世界遺産レベルとまではいわないものの、世界遺産同様に残して欲しい場所だよ、竜爪山は。
その価値分かってるのかよ、静岡県民は!って話だよ。


静岡空港開港ではしゃいで、フジドリームエアラインズ開業でまたはしゃぐんだろう。静岡空港鹿児島空港が直結しました!
屋久島の縄文杉も近くなりました!
とかいうんだろ。

竜爪山の価値も分からずにさ。今日だって、こんな神秘的な光景になるのが明らかなのに誰とも出会わなかった。

14時前、展望の開ける文殊岳からはこんな感じ。

だんだんさらに霧が濃くなってきたし、夕立にでも当てられたらおもしろくないので下山。


この2枚は同じ場所から撮ってる。写真って怖いね。

穂積神社に戻ってきたのが15時。
竜爪街道の通行止表示を無視して、行けるところまで行ってみた。

これは素晴らしいガケ崩れだね。いかにもガケが崩れました、という感じで。落石注意の標識との対比も実に決まってる。ここに来るまで、落石はあちこちに転がってた。
工事標識を見ると開通には11月後半までかかるようだ。
場所は竜爪山の旧登山道に出てる湧き水よりちょい上あたりで、新しい登山道のちょい下。湧き水に行けるのかは上から下りたため不明。

イタチが死んでた。熊が出る山だもの。イタチくらいは出るさ。正直なところ雨上がりだからヘビが出ることぐらいは覚悟してたし、誰も足を踏み入れてないだろうから首吊り死体があっても不思議じゃないと思ってたけど、今日の大物はコイツと手の平サイズのガマガエル程度。