*[映画]20世紀少年・最終章 ぼくらの旗〜最後にすっきりとした結末

静岡東宝1階で13:10の回。夏休み最終日ということもあって未成年者も多く、100人近い客入り。
三部作の最終章、約2時間40分で、とうとう上手いこと完結した。原作のストーリーにほぼ全部触れて、原作が急転落下のようになかば無理やりに終わらせた感がある一方で、映画は上手くすっきりとした結末としてまとめあげたように感じた。

結局、ともだちの正体が原作と違うようなことを匂わせていたものの、大筋では変わってない。原作どおり、カツマタだった。ただ、原作ではフクベエが最初のともだちで、それをカツマタが乗っ取った形になっているけど、映画ではフクベエと勘違いさせたカツマタという形になっている。
そして最後にケンヂがカツマタに土下座という分かりやすいシーンが象徴するように、ケンヂの万引の罪という柱を中心に最終回を構成しなおした。


ストーリーはある程度単純化してるものの、ともだちの正体探しの興味をそがないように上手くミスリードしてるのがヨシツネこと香川照之。俺はこの人、本当に好きでねー。いやー、単純な善人役とは珍しい、と思って1部2部と見てきたけど、とうとう最後にやってくれた。
アリバイがない行動、オッチョの推測、ともだちの気持ちがよく分かるとのセリフ、そしてなによりお得意のどこを見てるのか、なにを考えているのかを見せたり見せなかったり自由自在の演技。
こういう2重3重に方向性の変わる複雑な役回りを演じさせたら本当に上手い。

1年前、第一部を見たときにはどうなることやらと思ったものの、終わり方としてはベスト。
映画館のあちこちに「エンドロール終了後もストーリーが継続します」の張り紙だの、入場時に半券もぎられるときに言われたりだの、せっかくエンドロールの後にそうなってるんだから放っときゃーいいんだよ。とっととと帰るバカの心配なんかしなくていいよ。あいつらうぜえから後悔させとけ。