ナッチャンworld

世界最速のフェリーが青函航路に導入されたのは2007年のこと。


つーか、もともと東日本フェリーという会社がフェリー航路を持っていて、経営が苦しくなったところで広島のリベラという会社の資本が入って、何を考えたのか、裏があったのか、大冒険した形。


早いといっても在来船が3時間50分のところ、2時間45分。しかも函館・青森両市街からのアクセスはよくない。時間短縮のメリットはまったくといっていいほど存在しない。
しかも旅客片道4000円。

誰もが無謀だと思ったけど、やっぱり1年で撤退。
この形のフェリーの運行実績がないから、ここで実績を作ってよそに転売するのが当初からの目的だという話もある。
でも結局、船は売れずに函館港に停泊中。



一度話の種にどれだけ速いか乗ってみたかった。
ところが青森出港から仏が浦まで来ても、全然速いように思えない。船体が大きいから感覚が麻痺してるのか、船内は揺れも全くなく、エンジン音も感じられず、快適そのもの。

そう思ってたら低いエンジン音が少しだけ響いてきた。
最高時速67キロだそうで、明らかに速い。50人ほどしかいない船室だったけど「おお、これは速いね」というような反応がいくつもあった。

この船は船室の前方が無料の展望席になっていて、ややモヤがかった前方に函館山のシルエットが見えるようになると、ここでも函館人と思われる人を中心に「函館山が見える」というような反応があちこちで起きて、そのまま入港するのかと思えば、港外で急減速。

トロトロと港内を進んだ。

はっきり言って、これは高級船であって、青函航路にはやっぱり不要だったわ。