派遣村民が酒を飲んでなにが悪い

　年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」 で、一部の入所者が就労活動のため都から支給された現金を酒代やたばこ代に使い、施設内で禁止された飲酒などの問題行動を取っていたことが６日、分かっ た。都はすでに泥酔状態となった男性１人を退所処分にしたほか、悪質な入所者には退所時に支給額と領収書の差額の返金を求める方針。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100107/crm1001070048001-n1.htm

いいじゃねーか、酒飲んだって。そもそもこの手の施設で禁酒させる方が間違ってる。


依存症ってのはWHOが認めてる立派な病気だよ。その病気の症状が出てるだけじゃねーか。
風邪ひいたら鼻かむのを禁止する施設があったらどうだよ？
メンヘルの衆も、たとえば欝になって落ち込むのを禁止されたらどうする？
パニック障害の衆に心拍数あげたらダメ、とか言ったらどうよ？
それと同レベルの話だよ。アルコール依存症の衆が、嘘をついて、人を騙して、自分の人生を棒に振って、どんな損をしてでも酒を呑むのは、アルコール依存症の症状なんだよ。
だから貧困に陥ってるんじゃねーか。

　本来の用途以外の物品やサービスには交換不能な「貨幣」で渡すのがスジだろう。タバコやアルコールは言うに及ばず、ギャンブルにも使えない、行政が指定した用途にしか使えないクーポンを渡すというやり方である。
もっとも、その内クーポンと現金の「闇市場」が出来るかも知れないんだけど、果たしてどの程度需要があるかなあ?

貧困への公的助成はクーポン支給を: 天漢日乗

スジもクソもあるか。だいたい今回だって最初はジェフグルメカードを支給してたけど、それだって金券屋に売り飛ばしてる場面がテレビニュースで報じられてた。
闇市場もクソも、どうやってでも酒を呑むのがアルコール依存症だよ。酒を呑むことしか考えない、酒を呑むことが人生のすべて、それがアルコール依存症。

o296 就活必要物は現物支給にすべきだよな。筆記用具、履歴書、ネーム入りスーツ。

はてなブックマーク - 就活費で酒、たばこ…「公設派遣村」悪質入所者に返金要求へ (1/2ページ) - MSN産経ニュース

そんなもの売り飛ばして酒飲むに決まってんだろ。下手すりゃ戸籍売っちゃう衆だぞ。現物支給にしたらアルコール依存症が「真面目」に就職活動するとでも思ってるのか？どうせ同じゼニを使うんだったら変な中間搾取なしに満額酒飲めた方がみんなハッピーだよ。


上記みたいな衆はともかくとして、問題は良識あるつもりの人々が依存症は意思の力で解決出来ると思ってることなんだ。
俺は裁判の傍聴を趣味にしていて、覚醒剤事件やアルコールに起因するさまざまな事件の傍聴をしてきた。その公判で決まって出てくるやりとりがある。
「なぜやめられなかったんですか？」
「意思が弱かったからだと思います」
断言するけど、明らかに違うよ。意思で解決しようとしたからやめられないんだ。
「これからは強い意志を持ってやめたいと思います」

つーことは、酒なりドラッグなりギャンブルなりは素晴らしい魅力的なものだけど、死ぬまで一生我慢し続けます、ってことだろ。じゃあ、死にそうになったら我慢する必要もないわけだ。まして禁止されたら逆にますます必要以上に魅力的なものに見えてくるよなー。
で、酒やドラッグがない人生なんて死んだも同然の世界。だったら酒やドラッグに手を出すのも当然。


最底辺の貧困問題の根っこにはアルコールなりドラッグなりギャンブルなり、なんらかの依存症がある。ここを解決しない限りどうにもならないのに、実際のところは禁止することで逆に依存への強化を図ってる。結果的に泥沼にハマってるのよ。
必要なのは依存症の治療だ。でもそれを言い出すと手間とコストがかかるから誰も言わないだけのこと。だったら22000円を100人が持って逃げて飲んだくらいでガタガタ言うな。
特にアルコール依存症のことを炭水化物依存症や脂肪依存症のデブにはガタガタ言われたくない。


追記
ブコメで依存症について言及してる人がいるので追記。
言葉足らずの部分はあるんだけど、依存症には肉体的依存症と精神的依存症とがあって、ここを区別して欲しい。
禁煙セラピーって10年ほど前に流行った本があるんだけど、アレン・カーがずっと指摘してるのは精神的依存の恐怖であり、対処法として過かれてるのはそれを解くための逆洗脳。
タバコは友達ではありません。タバコは薄汚れたものです。喫煙者はいつもこそこそして惨めです。喫煙者はタバコを吸ってリラックスしてるつもりですが、タバコを吸わない人はいつでもリラックスしてます。そう繰り返す。


注目すべきは、中途半端な断煙や減煙が最悪だという指摘。ますます依存を強化する仕組みをヘビースモーカーだった自身の体験や、セラピストとしての経験からわかりやすく書かれている。このメソッドで他の依存症やダイエットにも応用出来る、と続編も出ているように、依存症の心理というものについてこれ以上見事に書かれてる本もないと思う。

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