山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故はホメオパシー全面否定の論拠にはならない



人間には自然治癒力がある。その自然治癒力を最大限に引き出そうという考え方があって、その延長にホメオパシーがある。そのホメオパシーに対して日本学術会議が全面否定する声明文を出して、確実に誰かを小馬鹿にして小さな自分のプライドを満たしたい衆が例によってその尻馬に乗ってネットで喚いてるわけだ。

はてなブックマーク - 日本学術会議の声明文に対するJPHMAの見解 - 日本ホメオパシー医学協会

確かに日本ホメオパシー医学協会の反論も不用意なものだと思うけど、日本学術会議の声明文自体がどうなのよ?って部分もあるんだわ。


つーか、

効果はプラセボ(偽薬)と同じ、すなわち心理的な効果であり、治療としての有効性がないことが科学的に証明されています

http://jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20100828.html

いわゆるプラセボ効果があれば、それはそれで治療として有効なんじゃねーの?
だって俺が砂糖玉渡してプラセボ効果が生じるか、ったらそうじゃねーじゃん。プラセボ効果が生じるには、被験者に信じこませるための条件つーか環境ってものが必要なわけでさ。
その条件つーか環境のバックボーンを作り上げてるのがホメオパシー理論なわけよ。


だいたいホメオパシープラセボ効果しかない、という結果を導き出した実験だってどうやって行われたもんだか。心理的な効果を測る実験なのにホメオパシーを小馬鹿にしながら行ったんだったら、正しい結果がでなくても当然だろうし。


まあ、ホメオパシーにどの程度の実効性があるのかは俺もよく分からない部分が多いから、話を別にする。ここまでは普段このブログを読んでて、ホメオパシーってなんじゃい?って方に対する説明。


で、本題として言いたいことは、日本学術学会の声明の中の

プラセボであっても効くのだから治療になる」とも主張されていますが、ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねません。
ビタミンKの代わりにレメディーを与えられた生後2ヶ月の女児が昨年10月に死亡し、これを投与した助産婦を母親が提訴したことが本年7月に報道されました。

この部分を持ってホメオパシー否定するのはおかしいんじゃねえの?ってこと。


この事故について要約すると、母乳で育児をすると赤ちゃんにビタミンKが不足することがあり、その場合には命に関わるのでビタミンKを投与することが必要なのに、ホメオパシーで使われるレメディーという砂糖玉を与えたために死亡した、という事故。
こういうことがあって危険だから、ホメオパシーを排除するべきだ、つーんだけど、その理屈はおかしいと思う。


だってこの事故は、普通の人間が起こした事故じゃない。助産師が母子手帳にビタミンKを投与した、という嘘を書いて医者を騙して起きてる事故だ。
はっきり言って頭のおかしい嘘つきの狂信者が起こした事故。ホメオパシーには薬効がないから、必要な効能が得られずに起きた悲劇だ。


これと逆のことを考えてみて欲しい。
頭のおかしい医療従事者が起こした、薬効があるがために必要以上の効能を得た事故がどれだけあるかを。最近だと頭のおかしい医者が不倫相手を強制堕胎させた事件があったなー。
だったら、頭のおかしい医者が強制堕胎をさせて危険だから近代医学を排除しよう、なんて話になるべきなんじゃねーの?


そうならないのは、近代医学=まとも=キチガイは例外、という前提があるからで、逆にホメオパシーキチガイキチガイは多数派、という偏見があるからホメオパシーキチガイが起こした事故でホメオパシーそのものを否定しようとするんだよ。
この事故の責任は行為者個人に帰結するべきものであって、決して所属している団体や信奉している考え方によるべきものではない。


ホメオパシーに対しては、近代医学へのアクセスを制限しないように一定の規制をするべきなのであって、それが排除を目的とした攻撃になってしまうのには他意があると推測せざるを得ない。


つーか俺から見れば、裁判で白黒付いてないものをマスコミが取り上げました!って大喜びで客観的な根拠として持ち出して相手を否定する日本学術学会も十分頭がおかしいと思う。