この雇用対策は茶つぼか?

俺が子供の頃に女の子が「茶つぼ茶つぼ〜」と歌いながら手遊びしてた。
http://jp.youtube.com/watch?v=ESnqkY8oz6U:MOVIE


俺の妹が「茶つぼ」の名人。この動画の「茶つぼ」は左手握ったまま右手を上下してるけど、俺の妹は握るのを左手右手入れ替えてた。その速さは文字通り手先が見えないほど。
もしオリンピックの正式種目に「茶つぼ」があったら、間違いなく金メダル取ってたはず。
さらにもし、前にも書いたけど「相槌」がオリンピックの正式種目だったら俺が金メダリストだから、日本初の金メダル兄妹だよ。
しかし残念ながら現実は成田童夢今井メロ兄妹同様にメダルなしに終わってる。


そんな話はともかく、

失業者ら1000人ヘルパーに養成 東京都、予算8億円計上
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090107/lcl0901072327004-n1.htm

これ読んで、思わず「茶つぼ」歌っちゃったよ。
「介護 介護 介護にゃ人がない 底(辺失業者)を取ってヘルパーにしよ」


介護職の人は率先して反対しないと、ようやく改善の兆しが見えていた待遇も、あっという間に元の木阿弥だよ。
といっても、反対出来ないんだろうな。現実に仕事の手が回ってないみたいだもん。


「失業よりマシ」「ここまでしてもらって退職できない」ってプレッシャーで、介護職に縛り付けられる人を増やすことで、介護報酬の引き下げを狙ってるとしか思えない。
だいたいヘルパー2級なんて、なんの役に立つんだ?俺もヘルパー2級持ってるからそう思うんだけどさ。
この話は別エントリにしよう。


はっきり言って今の介護職、特にヘルパーは職といえるのか?有料ボランティアという言葉が一番ふさわしいのでは?とにかくまずいのは、離職率の高い、国営ブラック産業とも言える介護職を、そのまま温存する結果になりかねないこと。待遇改善の方向が変わってしまいかねないこと。
底を取って蓋になった茶つぼヘルパーが、ヘルパーの報酬の底を抜きかねない。


それに1000人がヘルパーの資格を取っても、続けられる人がどれだけいるか。ゼニカネだけで言ったら奴隷労働だよ。俺がヘルパー2級の資格取って、介護職の道を断念した本人だから言わせてもらうが。
そして奴隷労働なら、ほかにいくらでも就職先はあるんだ。
ヘルパーに定着する人もいるだろうし、転職する人もいるだろう。ただ転職するにしても、それまでのタイムラグの間、時間とゼニを稼げるわけだ。


あらゆるブラック企業がそうだけど、騙されたと気付いた奴が転職するまでのタイムラグで稼いでるんだよな。あるいは転職する奴が辞めることで利益を出すシステムを用意してる。
そして、あわよくば転職の機会を奪ってしまおう、と。


東京都だけじゃなくて、浜松市もこんなことをするらしいし、全国的に広がるのだろう、このブラック企業メソッドは。
これは「茶つぼ」的な単純な思いつきが偶然そうなったのか?
それとも、誰かが計算づくでたどり着いたのか?これはただのブラック企業メソッドじゃない。
働いてきた者と、これから働く者だけが苦しみ、しかも反対することも出来ない。外部から一見すると社会に貢献する善であり、そして介護制度を司る者にしてみれば儲かる。実にタチが悪い仕組みだ。


じゃあ、どうすればいいのか、って言われると困るんだよなぁ。
ただ、4月からの介護報酬引き上げは人材不足が理由つーか介護崩壊が脅しになっていて、それが解消されれば間違いなく待遇改善の道は閉ざされる。


確か以前、なにかの雑誌で医療費を増大させろ、って意見を読んだ覚えがある。
国策として医療従事者を増やし、医療産業を発展させてメディカル立国を目指せ、みたいな。発想の転換だなー、と思った記憶がある。
それをヒントに保険制度、年金制度、医療、福祉、いったんこの辺を全部ガラガラポンして、なおかつそれらの産業立国を目指すとか。うーん、よく分からん。