社労士試験の勉強が面白い

勉強がここまで面白いと思ったことは初めてだ。
知ってるけど知らなかったことばかりで、刺激的。


たとえば、労働基準法6条
「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」
これで真っ先に連想するのは派遣事業。「法律に基いて許される場合」なのかと思ってたけど、そうじゃなくて派遣会社と派遣労働者が直接労働契約を結ぶのだから、「他人」には該当しないという解釈とのこと。
その考えはなかった。


他にも、労働者が懲戒事由にあたる行為をした場合、即時解雇が出来る。業務上負傷をして療養期間中とか産前産後は解雇制限がかかる。で、解雇制限中に即時解雇の理由が発覚した場合でも、解雇制限のほうが優先されるとか。
産前の解雇制限も普通の妊娠と双子以上の妊娠とで6週と14週で期間が違うとか。


あと、いわゆる試用期間な。普通3ヶ月ってところが多いと思うけど、契約自由の原則というものが民法にあって、どんな契約をしようと自由。でも、14日を超える場合は本採用拒否が解雇にあたるという判例がある。
で、これが三菱樹脂事件だってんだから驚く。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E6%A8%B9%E8%84%82%E4%BA%8B%E4%BB%B6


分かりやすく言うと、日本国憲法では人権が保障されてるわけだけど、この保障は国家に対する私人の権利なわけよ。私人と私人の間の争いで、ともに国家に対して保障している人権を主張したらどうなるか、という判例で、これ、大学の憲法の講義で出て来たよ。覚えてる。
具体的には、学生運動の経歴を隠して三菱樹脂に採用されたけど、バレて試用期間で解雇された。で、解雇されたほうは思想信条の理由、三菱樹脂は営業の自由、この2つの人権を主張しあった事件。


こういうオマケがついてるとは思わなかった。


ってところまで勉強したとたんにこんなの

IT系について言えば,仮採用期間も悪用されていると言える.


通常の仮採用期間と言えば3ヶ月だが,3ヶ月もあれば一つのプロジェクトが終わってしまうのがIT業界だ.トラブルの発生したプロジェクトに対して正社員採用(予定)の人間を注ぎ込み,プロジェクトが終わったら「本採用には至りませんでした」ということで解雇すれば企業側は失う物はなにもない.中にはこのメリットをフル活用するために半年以上もの長期の仮採用期間を設定している企業もあるが,こういう企業は信用しないの方が良いだろう.

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20090303/p1

だから3ヶ月が試用期間の契約でも14日たってれば
って書こうとしたら、すでに指摘してる人がいたり。
とはいえ、そうやって残るのもなんだかなんだよなー。


労働基準法を見れば見るほど一方的に労働者に有利なように書かれてる。
それでいてなお、その権利は守られない。それが労働者というものの立場だ。