ラ・ボエーム

静岡シネギャラリー左側で17:20の回。客入りは12人。

オペラ映画。ミュージカル映画は好きでよく見るのに、オペラとは縁がなかったし、興味もなかった。のになぜ見に行ったのかと言えば、映画にもなったミュージカル「レント」の元ネタだから。
「レント」の舞台は1989年のニューヨーク、「ラ・ボエーム」は1830年のパリという違いこそあれ、弱者である若者が夢だけを胸に無茶なことして、恋人を病で失う、という筋書きは共通。「レント」の場合はミミが持ち直して大団円だけど、エイズを発症しちゃってるんだから生き死にのことだけ言えば時間の問題。

筋書きなり細かな描写での共通点は多いものの、「レント」に限らず近代のミュージカルを見慣れてしまっているためか、この古典オペラの優雅さみたいなのもがどうも肌に合わなかった。
ぶっちゃけ、いつまでトロトロタラタラやってんだよ、モタモタすんな、早くしろ、って感じ。オペラが好きな人にとってはそういうところが魅力なのかもしれないけどさ。


だめだ、俺、近代的で商業的ななにかに毒されてると我ながら思う。
最後にミミが死んじゃうところとか、え?そんな死に方なの?もっと盛り上げたほうがいいんじゃないの?ちゃんとロドルフォの腕の中で死なせてあげようよ、とか思っちゃったしなー。


起承転結で言うと転の最後のあたりで、ロドルフォとミミが好きあってるけどサヨウナラ状態になっちゃって二重奏が続く。このあたりが恋愛経験値によって感じ方に差が出るところなんだろうなー。
後ろのほうで60歳くらいのおばさんがボロ泣きしてたんだけど、さぞかし恋愛経験値を積んで来たことだろうね。
俺?歌いながらくっついたり離れたり、フラフラすんな、早く決めろ、って思ってた。だめだ、俺。