世界すし博覧会に思う、商売の基本について

グランシップで開催された第1回世界すし博覧会に行ってきた。
もう少し早く下調べでもしておけば、敬愛する小泉武夫先生にお会いできたかもしれなかった、そう思うと残念で仕方がない。
http://sushihaku.com/event.html
そりゃー寿司のイベントだもの、出てくるわな。


当日フラッと行って参加できるのは、1階大ホールの企業団体展示と広場の地方物産展くらい。
目を引いたのが鮨で作った富士山。

サンプルなんだけどさ。でも、サンプルだから凄いんだよ。これ、ブースで1カン2,000円で売ってたからね。この富士山、売値で2,000,000円分くらいあるんじゃないの?


いくら末廣鮨が高いと言ったって、今じゃ1カン2,000円ってことはないだろ。そりゃ末廣鮨はバブル華やかなりし頃、お通しが50,000円だったとか、日本平ゴルフ場の帰りの接待4人組が勘定を1,000,000円請求されて裁判を起こしたとか、どこまで本当なのか分からないその手の噂には事欠かなかったけど、今じゃ5,000円のランチなんかもあるらしいし。


富士山関取米という鮨に向いた米の量り売りをしてたので買ってきた。
粘りが少ないので普通に食べるにはブレンドしたほうがいい、という説明をされたけど、俺は冷や飯を炊きなおしたようなパサパサしたご飯が好きだし、楽しみ。


それはいんだけどさ、富士山関取米にしても、その隣でわさび売ってたグループにしてもそうなんだけど、普段商売をやってない人は商売人なら当たり前に知ってることが分かってないんだね。


値段がどこに書いてないから聞くしかないのよ。わざわざ値段を聞くなんてのはよっぽどのモノ好きだけだよ。この時点で売上は9割減ってると思うぜ?


欲しい客は値段を聞くだろ、と思ったら大間違いだっつーの。お客さんってのは値段を見て初めて購買意欲が湧くのよ。購入するリアリティを感じるんだよね。
逆に、購入したものを生活の中でどのランクに位置づけたらいいかイメージ出来ないと、手が伸びないのよ。


例えば俺が買った富士山関取米、1キロ650円よ。アピタで売ってる魚沼産のコシヒカリより高い。普段食いの米じゃねーな、でも話のタネにはなるかもしれないし、ならなくてもそう損するもんじゃない。
そう思うから買うんだよ。
値段が分からなかったら、ああ、米ね、で終わっちゃうところよ。値段を聞いたのは、たまたま昨晩で米を切らしたからに過ぎないの。あとは人怖じしない性格のおかげ。

そもそもお客さんから見たら、モノを売ってるのかどうかすら怪しいんだから。
しかもわさび売ってる連中なんか、値段知らない人もいたりして。それでモノ売ってるんだから驚くよ。


こういうレベルの人たちが生産者組合みたいなところで営業活動とかしてるのかと思うと、地場産業っつーものがいかに幼稚なレベルにとどまってるかってのが透けて見えるから嫌なんだよなー。