貧乏人に保釈は贅沢

酒井法子被告人に保釈が認められて16日にも保釈されることになる。湾岸所の前はマスコミが大挙して押し寄せてるらしい。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090915/biz0909151838012-n1.htm
こういう話を聞くと、司法ってのは金次第でどうにでもなるんだと思わされる。


保釈ってのは刑事訴訟法で認められた権利で、刑事訴訟法では3パターンの保釈が定められている。
ひとつは義務的保釈ってのがあって、裁判が長引きなどして長く勾留されている場合は自動的に保釈しなきゃいけないという規定があるんだけど、これは事実上機能していない。
ぶっちゃけ麻原彰晃は裁判が長引いてたけど、保釈できたか、っつったら出来ないでしょ。


ふたつめに裁量保釈というのがあって、裁判所が自発的に保釈することが出来るんだけど、これも現実的には機能していない。
後に書く権利保釈を認めなかった事案で、どう見ても執行猶予がつくだろ、って時に弁護士から請求されて裁量保釈をする、というケースは時々あるようだ。
もう少し具体的に書くと、否認事件なんかで証拠隠滅の恐れがある、という理由で権利保釈を認めずに勾留したまま結審した場合とか。結審したら証拠隠滅しても意味ないもんね。


みっつめに権利保釈というのがあって、普通はこれが保釈といわれる。親族や弁護人が請求する、という条件がある。また懲役1年以上の法定刑の事件だったり、証拠隠滅の恐れがあるときには、裁判所は請求を却下できる。
そしてもうひとつの条件。いわゆる保釈金を積まなきゃいけない。
保釈金の金額は被告人や関係者の懐事情に応じて増減するから公平だとか言う奴がいるんだけど、実際はそんなことがなくて。
実務上、保釈金の最低金額は150万円だそうだ。逃げなきゃ返ってくるとはいえ、150万円なんておいそれと用意できる金額じゃない。


この150万円って金額がどこから出てきたのかを考えると、おそらくはまっさらなサラリーマンがサラ金を駆けずり回って集められる金額、ってことなんだろうと思う。定職があって事故履歴がなければ借りれるだろ。
定職がなかったり既に借金してる奴は信用できないから保釈なんか身分違いだ、ということでもある。