わたし出すわ〜見るべきは函館

静岡シネギャラリー左側で10:15の回。客入りは12人。


この秋公開される函館ロケ3部作の2作品目。シネギャラリーとしては珍しく封切り公開ということもあって宣伝には力が入っていて、トイレの個室の一つ一つにシールが貼ってあった。

あと宣伝といえば写真に撮り損ねたけど、函館市電で「わたし出すわ」のラッピング電車が走ってた。


雰囲気のある予告編でかなり期待は大きかった

んだけど、ぶっちゃけ函館と小雪とファンタジーの相性の良さにおんぶに抱っこされてた映画だった。この組み合わせを見出したセンスは賞賛されるべき。居心地は非常にいい。でもそれ以上にはねえ・・・。


もうひとつ書くなら、この映画の函館は俺の知ってる函館だってこと。立ち並ぶトタン屋根の家、ところどころに下手すりゃ大麻が自生してるような空き地があちこちにある住宅地。どんよりと曇った空。抑え目な色合いで描かれる、函館じゃなくてもいい場面のあちこちが函館にありそうな場所で、そのリアリティは今まで映画を見て感じたことのないものだった。


そんなこともあって、高校時代の同級生からすんなりと大金をもらう、そんな不自然な出来事も雰囲気ですんなり受け入れることが出来た。
最近では小雪にしか出せないような重力を思わせない透明感が、一方で圧倒的な存在感のようにも思えた、あるところまでは。
ところが、だ。小池栄子も役者としてはそんなに上手くないと思うんだけど、役にハマった時の爆発力はすごいね。


そんなことくらいしか書くことはないかなー。
なんか「わたし出すわ」というフレーズのインパクトだけで理屈は後付けしたものだというのがミエミエのミエちゃんで、カネにまつわる名言の引用だって陳腐だし、テーマであるはずのカネにまつわるエピソードは見るに耐えない。