とよはしアートフェスティバル2012
今年から始まったまったくノーマークのイベント。
これ華千夜さんのHANAMERIが出るから知ったわけで。地方によくある町おこし客寄せイベントかと思いきや、出てる顔ぶれを見るに、結構わかってるというか、俺ごのみのというか、おお、って感じの人選。
主催が豊橋文化振興財団って、それでゴールデンズの金粉ショウやるの?!豊橋恐るべし。
初めてのイベントということで、JRF駐車場とか、そんなところに客来るのか?とか、スケジュールがみっちり詰まってるけど、押したらどうするの?とか、危なっかしく思ってた部分もあったけど、終わってみれば大成功。
HANAMERI。
もともとは野毛でSlayersと衝撃的に出会って、赤い童子の華千夜さんがクラウンとしてめりこさんと組んだコンビで、HANAMERIとしては初見。お目当てであり3回とも見た。
これは贔屓目じゃないと思うんだけど、実に素晴らしかった。つーか、ジプシーアクロバットなる造語ジャンルの雰囲気、好きなんだろうな。こういうどっか泣きたくなるような郷愁を漂わせた非日常が。
特に3回目のJRF駐車場。
時間は17時を回ってて、一日のおしまい。
オレンジ色の夕暮れ。
帰りそびれて取り残された原っぱ。
そこに流れ流れたあやしい踊り子とピエロが現れる。あえてクラウンではなくピエロと書くよ。GちょこMarbleが置いたブランコがサーカス小屋の骨組みのようにも見えて、素敵すぎる。
GちょこMarble。
ブランコ設置の関係からJRF駐車場貼り付き。工事中の高層クレーンとのマッチングが見事。
GちょこMarbleはあちこちで名前を見るからいつでも見れると思って後回しにしてたんだけど、もっと早くちゃんと見ておけばよかった!爽やかで後味が非常にいい。
ゴールデンズ。
大道芸イベントの試金石というべき存在。こういうのをやるかやらないかでイベントの性格が決まってくる。静岡でこういうのを見たければサンバカーニバルに行け、という話。
でも人間の体って美しいと思うな。金色でフサフサに光るチン毛の美しいこと!後になって冷静に考えるとオエオエだけど。
Juggler Laby
この手のジャグリング出来ます、他にもいろんなこと出来ます、喋りでつなぎます、って男、差別化が難しいよね。でも世間的に現代日本の大道芸って言ったらこういうのを連想するだろうから、その場で下手打たなきゃ誰でもいい、というジャンルだと思う。ジャグリングのチャンピオンです、ディアブロのチャンピオンです、そんなのいくらでもいるからすぐ忘れちゃう。いくらでも代わりがいる。
なのに、時々妙に印象に残る人がいる。この人もその一人。なんなんだろうね?
SPEC
ボールド山田、セクハラオヤジ。キャァキャァ響く黄色い嬌声を聞いたJuggler Labyに「またセクハラしてる」と突っ込まれる始末w
ユキンコアキラ
とにかく風風風、風が強いのなんのって。吹きっさらしの駅前デッキ、見てる方だって体が持っていかれそうなほど。
キャンバスが飛ばされること数十回。なんとか描ききってほしい、そんな思いが観客の妙なタテノリグルーヴ感につながり、最後には両拳を上げて歓声を送るというワケの分からない達成感と一体感がうずまく盛り上がりとなった。
大道芸の魅力は、この時だけ、という空間にこそあるのだと思う。
ALICE
「オカマ」のマジシャン。こういう身を乗り出して見るクローストな大道芸って特に子供の大道芸体験として絶対に必要。
ネタとしては12000円で売ってるものとか、そんなのだけど、上手いし、なにより男だか女だかすら分からない外見が醸し出す妖しい雰囲気が非常にいい。
ダークラクー
噂には聞いていたけど、俺が見に行くイベントに来た試しがない。東海エリア初登場だと思う。
ダークラクーに限らず、今回の運営で唯一難があるとしたらロービングの場所と時間。他の芸人がパフォーマンスやってるところに現れたらまずいでしょ。それもあってか、特にココラフロント中通りなんかは人がいないということもあってか、最後いろんなところでやってたけど、豊橋駅の中に入って行ったり、歩道橋でやってたり、許可関係大丈夫なんだろうか?
でも賑やかなところ、特に子供が多いところで見てると微笑ましさが倍増。怖さがありながら、子供が気軽に寄ってこれる雰囲気作りが抜群だった。
Duo Cedelo
外国人男女ペアでの時々コミカルなアクロバット。王道だし、実力もあるし、安心して見てられる。
あちこちで見る人とか、クラウンとか、音楽とかはちょい見程度で済ませて、選べた上に1日いればほぼ一通り見れる規模。このイベントのサイズ感がちょうどよかった。
豊橋ってもうちょっとガラが悪いような印象を持ってたけど、客もちゃんと大道芸を見るツボをおさえてるし、次回もやるのだったら来てみたいと思わせる雰囲気だった。