麺行使 伊駄天 静岡
6月末に開店してるのは知ってたんだけど、行く機会がなくてようやく今日。
ぶっちゃけ静岡市でラーメンが美味いの不味いの言ったところで、伊駄天の前に出ればどんぐりと山猫。
伊駄天つー店はもともとは藤枝の店で、ラーメン激戦区の藤枝でも群を抜いた存在だった。で、オーディションに受かって立川のラーメンスクエアに1年間出店出来ることになって、これを全国ブレイクの足がかりと考えたか、藤枝の店を閉めてまで全力投入。
そしてラーメンスクエアの期限が近づいて静岡市への出店と相成った。
ああ、究極のラーメンと呼ばれたスギヨシ本舗を思い出すよ。
俺より年下の世代だと究極ラーメンをボロクソに言う奴がいるんだけど、あれ、美味かったんだぜ？
焼津インターと新静岡センター裏と、そして東京に進出してケチがついた。俺は東京まで食いに行ったわけじゃないけど、ボロクソの評判だったらしい。少し時代に遅れてたかもしれない。
いわゆる家系ラーメンの元祖・吉村家、あのラーメンが美味いか、って話と同じ。
最初は衝撃的な美味さだったんだろうね。でも研究され尽くして、吉村家を土台にして新たな家系ラーメンが発展し始めて、吉村家は味は二の次の観光名所みたいな感じになっちゃった。
吉村家のオーナーが副業の無修正裏ビデオ販売で逮捕されるのは必然の展開だったのかもしれない。
究極ラーメンも俺が出会ったときには衝撃だった。でも最後はどうしようもなかった。それは味が落ちたのか、俺の舌が肥えたのかはよく分からんし、その両方だろう。
最後の頃は究極の社長は店にいなかったもんね。最後は借金取りに追われて夜逃げ同然だったらしい。
伊駄天にはそうならないで欲しい。
幸いにして立川の店は石山勇人のラーメン本で高評価を得たようで、当面は安泰みたいだけど。
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伊駄天はメニューが多くて、イタリアン出身の旦那と中華出身の奥さんのラーメン屋という出自から引き出しが多彩でその全てが一級品という店。本日は塩らー麺。
ラーメンの味を引き締めるために辛味と酸味を使う店があるんだけど、伊駄天の辛味と酸味は他の店とちょっと違う。辛味と酸味の苦手な俺が心地いいと感じる。
辛味はデフォルトで唐辛子を使う店が多いんだけど、俺は唐辛子がちょっとでも入ってると辛くて不快。でも伊駄天の辛味は胡椒のようだ。胡椒でここまで味が引き締まるもんなんだね。
酸味は食酢を使う店にありがちなとげとげしさがなく、梅干のような爽やかな香りのするもの。酸味がコクへと昇華して、底の深い丼よりさらに深い味わいになっているのがよくわかる。
伊駄天のラーメンを食う気になったらいつでも食える、これは贅沢なことだぜ？一月行かなかった俺が言うことではないけど。
ちなみに〆のご飯は50円。アサツキと海苔がついてくる。このセンスからもこの店がどんなものかってのがよく分かると思う。
