マン・オン・ワイヤー

静岡シネギャラリー右側で18:50の回。客入りは6人。
2008年のアカデミードキュメンタリー賞の受賞作。
俺はこの手の芸術的な大道芸が好きで、しかもドキュメンタリー映画が好きだからワクワクしちゃって見ちゃった。

マン・オン・ワイヤー
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結局さ、芸人ってのはどっか頭のネジが一個ぶっ壊れてるんだわ。
命はもっと粗末に扱うべきなのだ、と兵頭会長は言ったよ、カイジのどのシリーズの何話だか忘れたけど。

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命ってのは危機にさらされて、初めて輝くのよ。もっとも命が輝くのがいいことなのかどうかは俺には分からないけどさ。


1974年、ニューヨークのワールドトレードセンターの2つのビルの屋上から屋上まで張ったロープの上を渡った実話の、再現と証言と、そしてなにより当時の写真と映像。
はっきり言うが、キチガイだ。ただそのキチガイが持つ人を惹きつける力ってのは、なにものにも変えられない。
そしてもう一つ、準備ってものの大切さ。この映画の大部分は準備を描いている。


前代未聞の挑戦なのに、非合法。事前の準備は法の網の目をくぐって、なかばぶっつけ本番。それとて対立や軋轢があって。
最終的には一つのミッションを心一つにして成し遂げて、その達成感をきっかけにそれぞれの変化でバラバラになっていく、これってベンチャー企業盛衰記でよく聞く話。
まさに人生を一瞬に詰め込んで早送りしちゃったんだろうな。


刺激的な話で、煽ろうと思えばいくらでも煽れる話を、実に淡々と描いたドキュメンタリーの真髄を思わせる良作。